工期:2012年3月30日〜2013年3月8日
当初、現場に着任して調査を行ったところ、建物をみて津波の恐ろしさを実感しました。
私たちの仕事は、この石巻の浄化センターの復旧です。
浄化センターは、地域の水を守る施設、管渠で送られてきた下水中の
よごれを微生物の働きで取りのぞき、きれいな水にかえる重要な役割を
果たしています。
地域の人々のためにいち早くの復旧が求められていました。
施設内を調査してみると、予想以上の破損状況でした。建物の外部の
サッシ(建具)がすべて破損し、室内は天井が剥げ落ち、壁も倒れかかっておりとても悲惨な状況でした。
また、石巻市の汚物の処理場でしたが、震災の影響で最低限の機能しか
運営していなかった為、異臭もすごくひどかったのを覚えています。
私たちは、本工事において建物の建具(120箇所以上)と内外装の改修を行いました。
また、いつか再来するかもしれない津波の対策として重要な電気や機械を守る為、通常の建築ではあまりない、防水扉を設置しました。
しかし、防水扉の出番が無いよう、二度とこのような震災(津波)が来ない事を願っています。
今は、浄化センターも順調に機能しているとの事です。その報告を聞いて初めて震災復興に役立ててよかったと、胸をなでおろしました。