津波に根こそぎ破壊され、基礎すらも失った港を再生するためには
様々な知恵が必要でした。
阪神淡路大震災、新潟県中越沖地震、そして東日本大震災の復旧・
復興工事に携わってきた中でこれほどまでに労働者・資材調達に
苦労した事はありません。 漁港の復旧に必要な生コンクリートの
出荷制限は、工程の遅れに繋がり漁業者の期待に応えられず
辛い思いもしました。
すでに私たち自身は大型建築のプロフェッショナルであった
ものの、現地への材料や物資の供給手段、求められる
再生スピードに対しての施工速度、一時復旧に留まらない強固な
設計など、沢山の課題に悩まされることも多くありました。
また、組終えたはずの型枠材が波と風で大破した光景、気象条件の
ための作業中断、琵琶湖では想像できない自然と戦う日々でした。
それでも地元漁業者の期待に応えることを心に決め、
私たちはこの苦難を乗り越え、新たな建築の技術を確立しました。
「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」とは武田信玄の先哲の言葉。
私たちの夢は将来、海外で海洋土木の仕事をすることです。
東北での漁港岩壁、桟橋、海岸などの復旧工事で培った技術を、
将来海外(東南アジア)に広げていきます。
「僕らの技術を海外に。」私たちが強く願えばどんなことも、
きっと可能になります。